2020-04-26

「SWV “Right Here/Human Nature”を作ったのは誰か?」問題 (5/23追記)



先日行われたVerzuzの〈Teddy Riley VS Babyface〉。最高で50万人以上が同時視聴し、豪華な顔ぶれがコメント欄に登場するなどまさにR&Bの祝祭といった盛り上がりぶりでした。
*〈Verzuz〉は、スウィズ・ビーツとティンバランドが始めたプロデューサー/ソングライター対決シリーズ。不定期に開催されている。互いに自分が手がけた楽曲を掛け合うという趣旨の企画で、対決という構図ではあるものの、実際に勝敗を決めたりはしない、あくまでエンタメ企画。

タイリースの「Throw in the tile」発言がミーム化したりもしましたが、特にテディ・ライリーの回線不調などがネタ化、もはやテディ・ライリーという名前がイコール「Wi-fiが弱い」を意味するジョークとして定番化しつつあったりと、様々な余波がありました。

その余波の中で、興味深いものがひとつ。SWVの名曲“Right Here/Human Nature”を手がけたのはテディ・ライリーではなく、オールスターだ、という驚きの主張がブライアン・アレクサンダー・モーガンによって為されたのです。
これはVSの中で、テディ・ライリーが“Right Here/Human Nature”をプレイしたことに端を発します。テディ・ライリーの名リミックスのひとつとして記憶されていますが、一体どういうことでしょうか。

5/23追記:ブライアン・アレクサンダー・モーガンがIG Liveのインタビューの中で改めてこの件について話していたので、文末に追記しました。



“告発”はまず、原曲の作者であるモーガンがInstagramに上げた投稿から始まりました。曰く、“Right Here/Human Nature”は、オールスターが100%手がけたリミックスである、と。
これに対し、古くからテディと一緒にやってきたプロデューサーであり、“Right Here/Human Nature”にも関わったとされる(ノークレジット)ウォルター“ムーチョ”スコットが反論する展開に。
ムーチョは、「オールスターはHuman Nature Remixには一切関わっていない」、「オールスターが関わったのは別のリミックス」と述べ、モーガンが「少なくともビートはオールスターが作ったというのは間違いない」と言えば、ムーチョは「ドラムループは俺がAKAI 3000で作った」と返すといった次第。
一方で、俺のバトルじゃないから、などと言いながらモーガンも「で、君の名前はクレジットにあるの?」とやり返したり。なおムーチョの返事は「いや、ない。メアリー・J.ブライジのリミックスにもないし、LL・クール・Jのも、クイーン・ラティファのも、ブラックストリートのにもない」と愚痴をこぼす始末(笑)。

ともかく反響を受けてモーガンは、改めてオールスターに話を聞き、どういう風に“Right Here/Human Nature”が制作されたか彼に説明してもらい、その内容をポストしました。
また同様にムーチョも、このSWVのプロジェクトを仕切っていたA&Rのケニー・オティーズに話を聞き、ケニーによる説明をFacebookに投稿
このオールスターとケニーの説明で見えてくることがあるのでご紹介します。はたして“Right Here/Human Nature”はどのように誕生したのか?