2019-07-09

[news] BNHがケンドリック・ラマーをカバー&新作発売決定、ミゲル初来日公演が10月に + more

ブラン・ニュー・ヘヴィーズ5年ぶり新作にエンディア、サイーダ・ギャレット、さらにマーク・ロンソン、アンジー・ストーン、ビヴァリー・ナイトらも参加



ヤン・キンケイドの脱退により、サイモン・バーソロミューとアンドゥルー・レヴィの2人組となったブラン・ニュー・ヘヴィーズ(The Brand New Heavies)が、前作よりおよそ5年ぶり、デュオとしては初となる新作『TBNH』をアナウンス。なんとAcid Jazz Recordsからのリリースとなります。  Amazon  iTunes

Acid Jazzからのリリースは(再発を除けば)来日公演のライブ盤『Shibuya 357』以来、実に12年以上ぶりでしょうか。
リード曲としてすでに、「ヘヴィーズと言えばこの人」エンディア・ダヴェンポート(N'Ddea Davenport)をフィーチャーした“Getaway”が4月に発表されていましたが、新たにマーク・ロンソン(Mark Ronson)がプロデュースした新曲“These Walls”が登場。ケンドリック・ラマー曲のリメイクということで、話題を呼びそう。





『TBNH』は9月6日発売予定ですが、日本盤は8月7日に先行発売予定。8月10日(土)~12日(月・祝)にブルーノート東京で開催予定の来日公演に間に合うだけでなく、ボーナストラック2曲追加収録となります。

さらに。このニュー・アルバム『TBNH』は、エンディア・ダヴェンポートの再登板だけでなく、名曲“You Are The Universe”を生んだサイーダ・ギャレット(Siedah Garrett)が久々に参加。
さらに、アンジー・ストーン(Angie Stone)、ビヴァリー・ナイト(Beverley Knight)、ジャック・ナイト(Jack Knight)、ハニー・ラロシェル(Honey Larochelle)、アンジェラ・リッチ(Angela Ricci)らをフィーチャー。ジャック・ナイトって主に90年代にBad Boy周りで活躍したあの?!というあたりも気になりますが、ともかく豪華な内容です。

アンジェラ・リッチはロンドンの若手ジャズ系シンガーで、ヘヴィーズの新たなボーカル。8月の来日公演も彼女を連れてやってきます。






ちなみにヤン・キンケイドは、2015年にブラン・ニュー・ヘヴィーズを脱退。ヘヴィーズの復活作『Forward』(2013年)にも参加し、前作『Sweet Freaks』(2014年)ではメイン・ボーカルを務めたドーン・ジョセフと共にMF・ロボッツというデュオを結成し、昨年5月にデビュー・アルバム『Music For Robots』を発表しています。  Amazon  iTunes

さらに余談ですが、ヤン・キンケイド脱退&ドーン・ジョセフ離脱後、2016年~2018年にヘヴィーズのメイン・ボーカルを務めたのはスリーン・フレミング。2017年2月、2018年4月に行われた来日公演も彼女を伴ってのものでした。スリーン・フレミングは、ニュー・マスター・サウンズのデビュー作(2001年)から現時点でのインコグニート最新作『In Search Of Better Days』(2016年)まで、英国ソウル~ファンク界で歌声を響かせてきたベテラン。
自身も、元ジャミロクワイのニック・ヴァン・ゲルダーとのデュオ=ヴァン・ゲルダー/フレミングとして2015年に『Loveland』を発表、2017年にはブルーイのSplash Music Productionsより、鍵盤奏者ディミトリス・ディモポラスとのデュオ=ディミトリス&スリーンとして『Sparkle』を発表しています。
ブルーイ指揮のプロジェクト=シトラス・サンの来日公演にも参加していたスリーン・フレミングですが、ヘヴィーズを離れて現在はインコグニートのツアー・メンバーとなっています。



ミゲルの初来日公演が10月に決定



ついに。2015年11月に東京と大阪での初来日ツアーが企画されていたものの、中止となってしまったミゲル(Miguel)。ついに彼の初来日公演が決定しました。10月3日(木)に東京はEX THEATER ROPPONGIにて一夜限り行われます。今度は中止にならないことを祈る。

2010年のメジャー・デビュー曲“All I Want Is You”を皮切りにR&Bチャートでヒットを放ち、さらにジャヒームに提供した“Finding My Way Back”(2010年)が翌年、第53回グラミー賞の候補になったミゲルは、2012年、セルフ・プロデュースした“Adorn”でブレイク。
マーヴィン・ゲイ“Sexual Healing”のオマージュとなったこの曲は、米R&B/ヒップホップ・チャートで4週連続1位を制覇、全米シングル総合チャートでも自身初のトップ20ヒット(最高17位)となり、翌年の第55回グラミー賞で最優秀R&Bソング賞を手にするなど大成功。この2013年にはマライア・キャリーとの“#Beautiful”、J・コールとの“Power Trip”がそれぞれ全米トップ20ヒットとなるなど、スターの仲間入りを果たしました。

以降も、R&Bの枠に収まることなく、ロックスター的な顔を見せながらも、しかしR&B~ヒップホップ・ファンを中心に支持を得、またケミカル・ブラザーズ、カイゴ、RL・グライムといったダンス系とのコラボも見事にこなし、先日はスペイン語作品となるEP『Te Lo Dije』(紹介済)を発表、初めて米ラテン・チャート入りも果たしています。  Amazon  iTunes
最近は、ディズニー映画『Coco』(邦題『リメンバー・ミー』)のエンド・ソング“Remember Me (Dúo)”の歌手に抜擢され、2018年の第90回アカデミー賞でもパフォーマンスを披露(楽曲自体もオスカー受賞)。また、昨年のヒット映画『Crazy Rich Asian』(邦題『クレイジー・リッチ!』)に新曲“Vote”を提供(エンド・ソング)したほか、2017年にはベン・アフレック監督・主演映画『Live by Night』(邦題『夜に生きる』)で銀幕デビューを飾り、映画『デトロイト』ではドラマティクスのメンバー役で出演。俳優としての顔も見せるなど活躍の幅を広げていますね。





実写版『リトル・マーメイド』主役にハリー・ベイリー(クロイー&ハリー)抜擢

名作アニメの実写映画化に鉱脈を得たディズニーが今度は、1989年に公開され、一時低迷していたディズニーを救ったと言われる『リトル・マーメイド』を実写化。
昨年12月に、『メリー・ポピンズ リターンズ』も手がけたロブ・マーシャルが監督を務めることが正式に発表されたのに続き、主役アリエル役に、クロイー&ハリー(Chloe x Halle)のハリー・ベイリー(Halle Bailey)を抜擢したことが先日発表されました。

ナタリーやハフポストなどでは「ハレ・ベイリー」と表記されて悲しくなってしまう……くらい日本ではまだ無名ではありますが、クロイー&ハリーと言えばビヨンセのParkwood Entertainmentと10代半ばで契約した天才姉妹デュオ。昨年3月にはデビュー・アルバム『The Kids Are Alright』を発表し、ビリー・ホリデイやビヨークの影響も受けたという彼女たちの独自のオルタナティブな世界観を聞かせていました(個人的にはケイト・ブッシュさも感じる)。  Amazon  iTunes
まだまだ若いながらゴスペルを通過したその歌声とハーモニーは確かで、堂々たるライブ・パフォーマンスは今年のグラミー賞や〈MTV Movie & TV Awards〉、スーパーボウルのプレ・ゲームといった大舞台でも発揮されています。
これまでは、プロデューサーも担うなど姉妹の音楽性を引っ張っている(ように見える)姉のクロイー・ベイリーのほうが目立つ印象があり、クロイーはビヨンセ主演映画『ファイティング・テンプテーションズ』(2003年)でビヨンセ演じるリリーの幼少期を演じるなど子役を経験していたこともあって、妹のハリーにアリエル役が渡ったのは少々意外でしたが、まだまだ19歳、いろいろな可能性を秘めていることでしょう。音楽面では巨匠アラン・メンケンが『アラジン』に引き続き関わるそうですし、楽しみですね。

ちなみに、アフリカ系のハリーがアリエル役ということで批判も受けているようですが、架空の生き物である人魚に人種だの肌の色だのイメージが違うだの言っている意味が私にはよくわかりません(原作は童話ですし)。
と思ったら、ディズニー傘下の有料チャンネル Freeformが「原作の作者はデンマーク人でした。アリエルは……人魚ですよね。(中略)仮にアリエルもデンマーク人だとしましょう。デンマークの人魚が黒人であってもおかしくありません。デンマーク人にも黒人はいますから」、「そもそも、アリエルというキャラクターは架空の存在です」などと批判に対して反論の声を上げていました。





スティミュレイター・ジョーンズとケイレブ・ホーリーが〈Local Green Fest〉で来日決定



Stones Throwと2017年に契約した新人スティミュレイター・ジョーンズ(Stimulator Jones)の来日が決定。初来日かな? 
横浜赤レンガ地区野外特設会場にて8月31日(土)と9月1日(日)に開催される〈Local Green Festival〉の第5弾ラインナップが発表され、31日(土)にスティミュレイター・ジョーンズが出演することが明らかに。同日にはBJ・ザ・シカゴ・キッド(来日情報紹介済み)、SIRUP、WONK、iriらが出演することがすでに決まっています。

また、9月1日(日)には、ミネアポリス出身のシンガー・ソングライター/プロデューサー、ケイレブ・ホーリー(Caleb Hawley)が出演決定。同日には、初来日となるユナ(来日情報紹介済み)を始め、Kan Sano、SANABAGUN.、NITRO MICROPHONE UNDERGROUND、踊Foot Worksらが出演します。



スティミュレイター・ジョーンズことサミュエル・ジョーンズ・ランスファード(Samuel Jones Lunsford)は、85年生まれ、バージニア出身のシンガー/マルチ奏者。

音楽一家に育った影響もあってドラム、ベース、ギターなどの演奏をこなせるようになり、様々なバンドを渡り歩いた後、2014年頃からスティミュレイター・ジョーンズ名義で活動を開始。当初はビートメイカーとしてジャジー・ヒップホップ的なビートテープを発表していましたが、ソウル~ファンクに傾倒するようになり、2016年1月に、サンプリングをあえて使用せず、全編生演奏で制作した『La Mano』を発表。これがジャイルズ・ピーターソンの耳に留まり、翌年『Brownswood Bubblers Twelve』に表題曲“La Mano”が収録されました。

2017年2月には『Silver Age』をリリースしていますが、しかし転機となったのは、ピーナット・バター・ウルフからのラブコール。2016年12月にStones Throwから発表されたレーベル・コンピ『Sofie’s SOS Tape』に“Soon Never Comes”を提供したのでした。これまでインストものだったスティミュレイター・ジョーンズですが、この曲はベイビーフェイス的な青い歌声を聞かせる、スウィートなGファンク調のR&Bに仕上がっており、これがきっかけにStones Throwと契約。
シンガーとしての道を模索するようになった彼は、昨年5月には“Soon Never Comes”も収録したフル・アルバム『Exotic Worlds and Masterful Treasures』をStones Throwから発表しており、ローファイ・ヒップホップを経由したような80s~アーリー90sテイストのR&B~ブギーが話題です。  Amazon  iTunes



アルバムには未収録でしたが、アリーヤのカバーで有名なアイズリー・ブラザーズ“Choosey Lover”のチープ感と甘酸っぱさの絶妙なバランスも面白い人です(昨年10月に発表されたアルバム未収録音源集『Exotic Outtakes』にも収録)。
ライブではドラムを叩きながら歌うようですが、来日パフォーマンスはどんな感じになるでしょうか。






ハーレムを拠点に活動しているケイレブ・ホーリーは、2011年に『アメリカン・アイドル』第10シーズンに挑戦するも本選には臨めませんでしたが、その後、自身で音楽活動をスタート。
様々な年代を参照にした(ことがわりと分かりやすい)サウンドを聞かせるアーティストで、2014年には、60s~70sあたりのレトロ・ソウル路線を中心としたEP『Side 1』、もろにプリンスを思わせる“Give It Away”など80s感も増したEP『Side 2』と発表しました。
そこから、“Uptown Funk”の大ヒットなども後押ししたのでしょう、地元ミネアポリスのサウンドに回帰するような形で、プリンス風を始め、80年代のミネアポリス・ファンク~エレクトロニック・ファンク/ブギーの匂いのするシンセ・ポップ作『Love, Drugs, & Decisions』を2017年に発表。日本盤も発売されており、“Give It Away”などが追加収録されています。  Amazon  iTunes

今年4月には新作『Sad People』を発表したばかり。80s感は継承しつつ、こちらはニューウェーブやポップ/ロック寄りですが、80s末のジャネット風(歌はマイケル風)な“i Ruin Everything”はいいですね。  Amazon  iTunes