2019-04-12

[new music] Chris Brown, Jon B, Jam & Lewis + more

・Chris Brown - "Back To Love" (Chris Brown Entertainment/RCA Records / 2019-04-11)




クリス・ブラウンが新曲“Back To Love”を発表。ビヨンセ“Upgrade U”を始め、セヴン・ストリーターやクリス・ブラウンらを手がけてきたキャム・ウォレス(Cam Wallace)がプロデュースしたこの曲は、ほのかにアフロ・カリビアンなテイストも薫る、ダンサブルなR&Bチューン。
来年6月にはデビュー15周年を迎えるクリスは現在、ニュー・アルバム『Indigo』を準備中。シャニース“I Love Your Smile”使いで話題になった“Undecided”などの収録が期待されます。  Amazon  iTunes





・Jon B. feat. Donell Jones - "Understand" (Jon B / 2019-04-12)



2月に予告されていたジョン・Bとドネル・ジョーンズのコラボ曲がようやく登場。 Amazon  iTunes
2012年作『Comfortable Swagg』以来のアルバムが待たれるジョン。自身のバンドでもベースを弾いているベーシスト/プロデューサーのブレディ・ワット(Brady Watt)がアルバム収録予定曲“Waiting On You”の制作に参加していることを明かしています。

……しかし残念なのは、2016年にはウォーリン・キャンベル(Warryn Campbell)のMy Blockと契約&一緒にアルバム『Mr. Goodnight』を制作中という話だったのに、結局ウォーリンがプロデュース&エリック・ドーキンスと共作という“Hurricane”すら出ないまま頓挫したこと。10曲レコーディングしたものの、ビジネス面で噛み合わなかったそうで。





・Jam & Lewis x Sounds of Blackness - "Til I Found You" (Perspective Records / 2019-04-12)



ジミー・ジャム&テリー・ルイスがついに自身のプロジェクトを始動。

昨年、Perspective Recordsを再始動させ、第一弾アーティストとしてピーボ・ブライソンを契約、ジャム&ルイス全面プロデュース作『Stand For Love』をリリースしていましたが、その際、ジミー・ジャムは米Billboard誌のインタビューの中で「私とテリーが関わる次のプロジェクトには、アン・ネズビーとジェームズ“ビッグ・ジム”ライトも参加したオリジナル・サウンズ・オブ・ブラックネスも含まれている」と言及していましたが、まさにアン・ネズビー(Ann Nesby)やビッグ・ジム・ライト(James "Big Jim" Wright)も参加したサウンズ・オブ・ブラックネスとのコラボ曲“Til I Found You”が発表されました。  Amazon  iTunes

鍵盤に故ビッグ・ジム・ライト、ギター&ドラム・プログラミングにはアヴィラ兄弟と、ジャム&ルイス一派が関わったこの曲は、ディアンジェロもカバーしたことで知られるオハイオ・プレイヤーズの名曲“Heaven Must Be Like This”を引用しています。



この“Til I Found You”は、ジャム&ルイス名義としては初のアルバムとなるコンピレーション『Jam & Lewis: Volume One』からのリード曲。

『Jam & Lewis: Volume One』と言えばそもそも2013年1月、彼らはUniversal Music Publishingとの出版契約を発表した際に「ジャム&ルイス初のアルバム・プロジェクト」が告知されていたものの、その後音沙汰が途絶えていました。しかし今回は、年内のアルバム・リリースが予告されているほか、ジミー・ジャムは「数ヵ月後」のアルバム発売を示唆していますので、今度こそちゃんとリリースされるでしょう。期待。






・KAYTRANADA & VanJess - "DYSFUNCTIONAL" (Kaytranada/RCA Records / 2019-04-12)



ケイトラナダが新曲を発表。“Another Lover”でコラボ済みの姉妹R&Bデュオ=ヴァンジェスをゲストに迎えたハウシーな1曲です。 Amazon  iTunes

ケイトラナダは昨年11月にRCA Recordsとのメジャー契約を発表、移籍第一弾としてタイ・ダラー・サイン参加の“NOTHIN LIKE U”、長年のコラボレーターであるシェイ・リアが歌う“CHANCES”などを収録したシングルを発表していました。 Amazon  iTunes



Another Lover”も収録した昨年の『Silk Canvas』が素晴らしかったヴァンジェスは、昨年11月にKeep Cool/RCAと正式に契約。今年1月末には、Keep Cool/RCAから“Addicted (Keep Cool Remix)”を含む“Addicted”のリミックス集シングルを発表しており、ケイトラナダとはレーベルメイトでもあります。 Amazon  iTunes

昨年RCA傘下に立ち上げられたKeep Coolは、フィフス・ハーモニーのノーマーニ、ラッキー・デイらを抱え、今年3月にはフレディ・ギブス&マッドリブが新たに仲間に加わった注目レーベル。共同創設者には、チャイルディッシュ・ギャンビーノやブロックハンプトンをRCAと契約させ、SZAの『Ctrl』リリースにあたってTDEとRCAのジョイント・ベンチャー契約に一枚噛み、さらにカリード、ブライソン・ティラー、ゴールドリンク、H.E.R.といったRCAのアーバン勢のキャリア形成を担った重要人物トゥーンジ・バログンが名を連ねています。





・FABICH - "Can't Even Be" (Boys Next Door/Unity Records / 2019-04-12)


ジャネール・モネイやオリヴィア・ネルソンらのリミックスを手がけてきたロンドンのダンス系新進プロデューサー、ファビッチが新曲“Can't Even Be”を発表。
得意のダンサブルなビートに乗った爽快なR&Bチューンで、90年代っぽい懐かしさもありますね。Spotifyでsaveすることが条件でフリーDL可(MP3 320kbps)です。  Amazon  iTunes
フィーチャリング・クレジットが無いため肝心の女性ボーカルが不明ですが、ソングライターとして参加しているケイト・ステュワート(Kate Stewart)ではないかと見られます。声の感じも彼女っぽいですし。

以前はKステュワートと名乗って活動していたケイト・ステュワートは、昨年からフルネームにアーティスト名を改めており、昨年11月にデビューEP『In The Beginning』をリリース。以前から共演しているシフト・キーを始め、ザ・フリー・ナショナルズのキャラム・コナーとロン・アヴァーントらも参加した秀作ですよ。





・JAMESDAVIS - "Something To Talk About" (Motown Records / 2019-04-12)



15歳でVirgin Recordsとのソロ契約を手にしたことのあるジェス(ジェシカ)、その双子の姉妹で、故リオン・ウェアに師事したレイ(エリカ)、彼らの弟オーストンのレイノルズきょうだいによるLAのR&Bトリオ=ジェイムズデイヴィス。
Motown Recordsに所属する彼らは、昨年10月にクリスチャン・リッチ、ハロルド・リリー、クライド&ハリーらが制作に関わったEP『Lamplighter Vol. 1』を発表、中でも“Speedboat”や“Evergreen”などが反響を呼びました。

そして今年、先月発表した“Dodger Black”に続く第二弾シングル“Something To Talk About”をリリース。“Dodger Black”同様、BJ・ザ・シカゴ・キッドなどに関わったマイケル・バーニー(Michael Barney)のプロデュースによるこの曲は、90年代の雰囲気も漂うメロウなR&Bチューンに。  Amazon  iTunes

故ジェイムズ・イングラムのバックコーラスだったという母親ヨランダと、LAドジャースの外野手だった父親のあいだに生まれたレイノルズきょうだい。
母親の影響で7歳から歌い始めたジェス・レイノルズ(Jessica Reynolds)は、15歳でVirgin Recordsとのソロ契約を獲得。“You Don't Know My Name”を始めとするアリシア・キーズ楽曲のソングライターとして知られるハロルド・リリー(Harold Lily)のもとで腕を磨くも、ストリートのイメージで売り出そうとするレーベル側の意向を受け入れられず、辞めることに。
その後リオン・ウェアに師事していたという双子のレイ・レイノルズ(Erika "Ray" Raynolds)と共に活動を始め、そこにバスケ選手として将来性があったものの音楽の道を選んだ弟オーストン・レイノルズ(Auston Raynolds)が合流。歌い、演奏もできる3人組グループとなったのです。
そして、2014年に34歳の若さでMotownの女社長となったイーティオピア・ハブタミリアム(Ethiopia Habtemariam)の目に留まり、Motownと契約。2015年に“Better Than You Are”でデビューしました。

なお、ジェイムズデイヴィスというグループ名は、両親の名前に由来するもの。オーストンを含め、父方の男たちにミドルネームとして名付けられるという「ジェイムズ」、そして母親の旧姓「デイヴィス」を組み合わせたものです。





・Kayla Blackmon - "Summertime Fine" (Kayla Blackmon / 2019-04-10)


ジデーナの2017年のEP『Boomerang』のアートワークのモデルを務めたということ以外、何者かよく分かりませんが、LAの新進R&Bシンガーの、これはデビュー曲ということになるのでしょうか(過去にsoundcloudに発表してきた楽曲は一掃され、この曲のみ残っている状態)。
ドージャ・キャットなども手がけている新進プロデューサー・デュオ、ニュー・アメリカンズ(Nu Amerikans)がプロデュースしたこの“Summertime Fine”は、これからの暑くなる季節に涼やかな風を運んでくれそうなチルな1曲です。  Amazon  iTunes
ちなみに、執筆時点で無料ダウンロード(MP3 320kbps)できますが、ファイル名は“Palm Tree Dreams”となっています。





・Seba Kaapstad - Bye (Mello Music Group / 2019-04-11)



Mello Music Group初のインターナショナル(=米国外)・アーティストとして今年2月に契約が発表されたネオ・ソウル~ジャズ系バンドの新曲“Bye”が登場。

「セバ」ことドイツ出身のセバスチャン・シュスター(Sebastian Schuster)がケープタウン大学に留学中に出会った仲間を中心にして2013年に結成され、べルリンでのレコーディングを経て、ドイツのジャズ系レーベル JazzNArts Recordsより2016年に『Tagore's』でデビュー。メンバーチェンジを経て、今年2月、ヒップホップに強い米インディ・レーベルのMello Music Groupとの契約が明かされると共に、移籍第一弾シングル“Breathe”を発表しました。そして3月に登場した“Africa”に続けて発表されたのが、このメロウな“Bye”です。

南アフリカ、スワジランド(現エスティワニ)、ドイツと多彩な背景を持つメンバーによる、ソウル~R&B、ヒップホップ、ジャズ、エレクトロ、アフリカンなどが融合したグループとして、進化を見せる新作『Thina』を5月17日にリリース予定です。 Amazon  iTunes





・Chloe x Halle - "Be Yourself" (Back Lot Music / 2019-04-12)



ビヨンセのParkwood Entertainmentに所属する天才姉妹デュオ=クロイー&ハリーの新曲“Be Yourself”が登場。
これはレジーナ・ホール、イッサ・レイ、マーセイ・マーティン主演のコメディ映画『Little』のための楽曲で、映画公開日(※日本公開は未定)と同日の12日にリリースされたサントラに収録されたもの。ケラーニの“CRZY”やモニカ“Commitment”を始め、ビヨンセ&ジェイ・Z『EVERYTHING IS LOVE』、アリアナ・グランデ『thank u, next』などを手がけてきた女性デュオのノヴァ・ウェーヴ(Nova Wav)が、ベイリー姉妹と共にプロデュースしています。

なおサントラには、ノーネームの“Diddy Bop”(2016年作『Telefone』収録)なども収録されています。  iTunes