2019-05-20

[news] アフター7のメルヴィン死去、ホイットニー「新作」 + more

ベイビーフェイスの兄、メルヴィン・エドモンズ(アフター7)死去



ベイビーフェイス(Kenny "Babyface" Edmonds)の兄であり、アフター7 (After 7)のメンバーでもあったメルヴィン・エドモンズ(Melvin Edmonds)が他界。65歳でした。
現地時間で5月18日(土)に息を引き取ったことを、息子のジェイソンが認めたとのことです。
[5/21 追記:公式でメルヴィン逝去が報告されました]


2000年代半ばから、再始動したアフター7にはメルヴィンの代わりに息子のジェイソン(Jason Edmonds)がメンバーとなっており、どうやら体調面の問題があるらしいことは伝わっていました。
そして2015年にアフター7のカムバック曲“I Want You”が発表された際は、ベイビーフェイス&ダリル・シモンズ制作という点はもちろんのこと、メルヴィンの参加もファンを喜ばせたもの。翌年発表された20年以上ぶりの新作『Timeless』にも参加していました。
一方、本格的なカムバックの動きを見せていた2015年には、メルヴィンのドラッグ問題についてケヴォン(Kevon Edmonds)が語っています。曰く、アフター7を脱退したのは、「ろくな支払いもなく、守ってもくれない音楽業界に身を置くことに疲れたから」であり、「ドラッグ問題が(脱退の)理由ではない。確かに兄は時にドラッグと闘ってきたけれど」。これは、ケヴォンがソロに転じた90年末に一度グループは分裂、メルヴィンは他の2人と不仲であり、脱退してトラックの運転手として働きだした(らしい)ことを指して言っているのでしょう。
しかし、2017年の『Unsung』(ドキュメンタリー番組)では、2009年の時点でアフター7の再結成も検討されていたものの、メルヴィンが2011年に脳卒中で倒れたことでメルヴィンの参加は見送られたこと、ツアーで度々倒れていたことなどが明かされており、ここ10年ほどは、ドラッグの影響によって体を壊していたと見られます。アフター7の復活にはメルヴィンを経済的に救う意図もあったのかもしれないと考えると、メルヴィンを加えた4人組になった理由も頷けますね。

1989年に『After 7』でデビューしたアフター7は、1990年に“Ready Or Not”、“Can't Stop”というトップ10ヒットを放って一躍人気グループに。90年代前半には他にも、“Nights Like This”、“Kickin' It”、“'Til You Do Me Right”などがR&Bチャートのトップ10ヒットとなりましたが、所属レーベルとの関係悪化から1995年の3rd『Reflections』をもって契約更新をせず、レーベルを離脱。1997年に発表されたベスト盤『The Very Best of After 7』にホール&オーツのカバー“Sarah Smile”が加わっていましたが、アフター7は活動休止状態に。
1997年の映画『ソウルフード』サントラでは、ベイビーフェイス、K-Ci&ジョジョ、ケヴォン、メルヴィンの5人組=マイルストーンとして“I Care About You”という曲が発表され、同年、ベイビーフェイスの『MTV Unplugged』でも披露。またケヴォンは1999年に『24/7』でソロ・デビューしてヒットとなりました。
2000年代半ばから少しずつですがライブ活動を再開させたアフター7には、前述のとおりメルヴィンの姿はなく、代わって息子のジェイソンが参加。2013年の来日公演も、メルヴィン不在でジェイソン参加というメンバー構成でした。
2015年末に“I Want You”の発表と共にメルヴィンも復帰しており、新たに4人組としてアフター7は再始動。2016年に『Timeless』を発表し、R&Bアルバム・チャート初登場4位に。また、アダルトR&Bエアプレイ・チャートでは、“I Want You”と“Let Me Know”が最高6位、“Runnin' Out”が最高3位と、およそ20年ぶりのヒットとなったほか、2018年には“Too Late”、“If I”も最高8位まで上昇するなど支持されていました。  Amazon  iTunes





ホイットニー・ヒューストンの“新作”リリース、ホログラム・ツアーの可能性が浮上


故ホイットニー・ヒューストンの義姉にして元マネージャー、そしてエステート管理人であるパット・ヒューストンが、New York Times紙のインタビューの中で、未発表音源集や、ホログラム・ツアー、ブロードウェイ・ミュージカル化などについて言及。

これは、先週エステートが、音楽出版のPrimary Wave Music Publishingがエステートの保有する資産の50%を獲得することになる契約に合意したことに由来するもの。Primary Waveが手にすることになるのは、ホイットニーの音楽や映画から得られるロイヤリティ権から、ホイットニーの名前の使用権、マーチャンダイジング権などなど、1400万ドル相当(およそ15億円)になると報じられています。

そしてエステートとPrimary Waveのタッグで、様々なホイットニーのプロジェクトが進行中だとのこと。具体的には、デビュー作『Whitney Houston』に使用されなかった未発表音源を収録した“ニュー・アルバム”のリリース、ホログラムを使ったツアー、そしてホイットニーを題材にしたブロードウェイ・ミュージカルの製作。
現在すでに制作中だというのがホログラム・ツアーのほうで、こちらは2015年に一度、Hologram USA社との提携という形で正式にアナウンスされており、当時は2016年に世界ツアーを行うという話でした。その2016年5月には、アメリカ版『The Voice』でクリスティーナ・アギレラがホイットニーのホログラムとデュエットする映像が流出、しかし完成度などが疑問視され、批判を受けた影響か、実際の放送ではカットされるという対応が為されました。また、結局その後このツアーの続報は途絶えていました。
今回の報道を受けて米Rolling Stone誌が早速取材した記事によると、現在エステートはBASE Hologram社と組んでおり、ツアー名は〈An Evening With Whitney: The Whitney Houston Hologram Tour〉という仮題が明かされています。ファティマ・ロビンソンが演出として参画しているそうで、2020年初頭のスタートを予定しているとか。このホログラム・ツアーは、バンドやバックコーラス、ダンサーなども揃えた“ライブ”形式で行われる予定とのことです。



・クリス・ブラウン、6月発売の新作『Indigo』のアートワーク公開



クリス・ブラウン(Chris Brown)が6月発売を予告している新作『Indigo』のアルバム・アートワークを公開。6月21日発売に向けて動いているのも確実となりました(28日に延期する可能性も示唆していますが)。
前にもお伝えしたとおり、『Indigo』は、30歳(5月5日に30歳になりました)だから30曲収録、と予告されているほか、すでに消去されているインスタストーリーズでは、ドレイク、リル・ウェイン、ジュヴィナイル、リル・ジョン、ジューシー・J、タイガ、ジョイナー・ルーカス、ガナ、トーリー・レインズから、H.E.R.、タンク、ジャスティン・ビーバーらまで参加すると言及されていました。



注目の新星ニコール・バスがアダルトR&Bチャートを初めて制覇 19年ぶり快挙も




Roc Nationが送り出す注目の新星R&Bシンガーで、昨年11月にRoc Nationデビュー曲“You”を発表したばかりのニコール・バス(Nicole Bus)。

ニードルズ(Needlz)が手がけたこの“You”は、ウータン・クラン“C.R.E.A.M.”のリメイクと言えそうなソウルフルなビートに乗せて、元ネタであるチャーメルズ“As Long as I've Got You”も引用するという楽曲で、そのブルージーかつハスキーな歌声のローリン・ヒルを彷彿とさせる点もそうですが、90sを参照したヒップホップ・ビートの上でエモーショナルに炸裂する様はさながらジャズミン・サリヴァンのようで。
昨年末に私はすっかり心を奪われたのですが(2018年のベスト・ソングにも選出)、先月、リック・ロス参加バージョンとゴーストフェイス参加バージョンが矢継ぎ早にリリースされた効果もあって、“You”はアダルトR&Bエアプレイ・チャートでは5週目でトップ10入りを果たし、5月18日付チャートでついに1位を奪取しました。

これは彼女にとって初のナンバーワン・ヒットとなっただけでなく、初のチャートイン楽曲が8週目で1位を獲得したのは、同チャート史上最速タイ記録となるそう。同じく初のチャートイン楽曲が8週で首位を手にしたのは1998年6月のスパークル“Be Careful”、2000年5月のカール・トーマス“I Wish”のみ、ということで、実に19年ぶり・3曲目という快挙です。  Amazon  iTunes






なお、“新星”と書いたものの、オランダ出身のニコール・バスはまっさらの新人というわけではなく、実はすでに10年近いキャリアの持ち主。
ローリン・ヒルの大ファンであり、ドラム、ベース、ピアノを独学で身に着けたという彼女は、2010年にオランダの音楽コンテスト〈Grote Prijs van Nederland〉のシンガー・ソングライター部門で優勝したことがきっかけでBladehammer Music/EMIと契約し、2011年にオーガニック・ソウルな『The Heart Of The Matter』(リチャード・スペイヴンら参加)でアルバム・デビュー。2013年にはオランダの歌バトル番組『The Voice of Holland』第4シーズンに挑戦(シャーマ・ラーズも)し、優勝こそ逃すものの爪痕を残し、2017年にはオランダのレーベル TopNotchより2ndアルバム『Magnolia』を発表するなど、キャリアのある女性シンガーです。
ゆえに彼女は、米Billboard誌でアダルトR&Bエアプレイ・チャートで1位になったという記事を書いたライターに10年前に会っており、その時にいつかBillboardチャートに載るような歌手になろうと思っていたがまさか1位になるとは夢にも思わなかった、と喜びを伝えつつ、そのキャリアの長さを示唆しています。

ニコール・バスがRoc Nationと契約した背景にあるのは、ブルーノ・マーズのメガ・ヒット曲“Just The Way You Are”のプロデューサーとして知られるニードルズが審査員を務めるソングライティング大会に参加したことがきっかけでニードルズと出会ったこと。彼の導きで彼女はアトランタでレコーディングを始めたそうで、その後ニードルズがInstagramに上げた彼女の音源にRoc Nationが注目、2018年にレコード契約を結びました。同年11月に“You”でUSデビューを飾ったばかりです。
ちなみに未だに“You”のミュージック・ビデオは日本からは視聴できません。