2019-06-02

[new music] DaniLeigh & Chris Brown, BJ The Chicago Kid, John Legend + more

・DaniLeigh feat. Chris Brown - "Easy (Remix)" (Def Jam Recordings / 2019-05-31)



Def Jam所属の新進R&Bシンガー/ラッパー、ダニレイが、昨年10月に発表したデビュー・アルバム『The Plan』収録のスロウジャム“Easy”に、新たにクリス・ブラウンを迎えたニュー・バージョンを発表。ダニレイも元々ダンサー出身ということで、パフォーマンスの面でも相性抜群ですね。  Amazon  iTunes

ちなみにこの曲、チェリッシュ(Cherish)のメンバーとして知られるファロン・キング(Fallon King)が新鋭クリス・クラーク(Chris Clark)と共にプロデューサーしたという点もポイント。



ダニレイは今年、“Lil Bebe”のラテン・リミックス、そしてトラップな“No Limits”と発表しています。

マイアミ出身のダニレイことダニエル・レイ・キュリエルは、ダンサーとしてキャリアをスタートさせ、ダンス・ユニット=カーリーフライズとして活動時にプリンスのもとでの活躍で知られる双子ダンサー・デュオのトゥインズから連絡を受け、弱冠18歳にしてプリンス“Breakfast Can Wait”のミュージック・ビデオの制作を依頼された逸話でも知られる女性。ダニは監督を務めただけでなく、プリンスに扮装したメインキャラクターとしてダンスも披露しています。





・Layton Greene feat. Lil Baby, City Girls & PnB Rock - "Leave 'Em Alone" (Quality Control Music/Motown Records / 2019-05-29)



シアラ“Can't Leave 'Em Alone”リメイク。

コーダック・ブラック“Roll in Peace”のカバー動画で注目を集め、今年2月にQuality Control初のR&Bシンガーとして契約したことが話題になった20歳、レイトン・グリーンが、QC契約初のリリースとなる新曲“Leave 'Em Alone”を発表しました。  Amazon  iTunes

シアラの12年前のヒット(そんなに経ちますか……)のサビを拝借したこの曲を手がけたのは、ヒットメイカ(Hitmaka)とカーディアック(Cardiak)。シアラねたということもさることながら、QC/Motownの一押しであるシティ・ガールズとリル・ベイビーに、ピーエンビー・ロックもゲストに加えるという、レーベル側の意気込みが感じられる布陣です。

すっかりプロデューサーとして活躍しているヒットメイカ(旧名ヤング・バーグ)は、キッド・インク“F With U”(タミア“So Into You”ネタ)、ジェレマイ&Ty$『MihTy』(ケニ・バーク、アーマッド、ドゥルー・ヒルねたなど)、ジャスティン・スカイ“Back For More”(ネリー“Flap Your Wings”ネタ)など関わる楽曲でのネタ使い度は多め。





・Teenear feat. Lil Baby - "I Like It" (Slip N Slide Records / 2019-05-31)



2015年にSlip-N-Slide Recordsと契約した新進女性R&B~ポップ・シンガーのティニーアが、今年初のリリースとなる新曲“I Like It”を発表しました。  Amazon  iTunes

クレジットを見るかぎり、サンプリングということにはなっていないようですが、サビの「Ouuu... I like it♪」はデバージの“I Like It”を意識していますよね。マイアミのワイズメン・ミュージック・グループ(Wisemen Music Group)がプロデュースしています。リル・ベイビーの参加に加え、80sブギー~西海岸ファンクなグルーヴが爽快で、人気を呼びそうです。





・slom, Ace Hashimoto & Taichi Mukai - "2NITE" (Seven7Ceven Music / 2019-05-29)



米韓日コラボ。
ジェイ・パークからエルージェイまでを手がける韓国人プロデューサー(LAでも活動)のslomと、ブランダン・ディシェイ(brandUn DeShay)名義でSZA、チャンス・ザ・ラッパー、ジョーイ・バッドアスらのプロデュースを務めてきたことで知られるエース・ハシモト(シカゴ出身)、そして日本の向井太一によるコラボ曲“2NITE”が登場。  Amazon  iTunes

エース・ハシモトが「ピュア・ネプチューンズ・ヴァイブ!!!」と謳っているように、00年代初頭のネプチューンズを彷彿とさせるサウンドをslomが提供。そこにファレル風に歌うエース・ハシモト、そして向井太一が絡むという仕上がり。

それにしてもオッド・フューチャー周辺や西海岸勢を中心に、当時のネプチューンズ・サウンドが再び人気ですね。最近だとスティーヴ・レイシー『Apollo XXI』(紹介済)収録の“Guide”だったり、ラッキー・デイ『Painted』(紹介済)収録の“Try Your Fire”だったり、カリ・ウチス“Your Teeth in My Neck”(『Isolation』収録)だったり。ブランダン・ディシェイ aka エース・ハシモトも昔はタイラー・ザ・クリエイターの友人だった関係でオッド・フューチャー一派だったことがあります。

ちなみにslomと向井太一は、YonYonによる日韓コラボ企画「The Link」の第一弾となる「Period (過程)」ですでにコラボ済。





・BJ The Chicago Kid feat. Offset - "Worryin' Bout Me" (Motown Records / 2019-05-31)



BJ・ザ・シカゴ・キッドが、4月末に発表した“Time Today”(紹介済)に続く新曲“Worryin' Bout Me”をリリース。  Amazon  iTunes
ソウルネス溢れた“Time Today”とは一転、ミーゴスのオフセットをゲストに迎えたこちらは、ヤング・ドローの全米トップ10ヒット“Shoulder Lean”(2006年)を始め、T.I.、2チェインズらを手がけてきたリル・C (Lil’C “C GuTTa”)らのプロデュースによる、トラップ調の楽曲です。

BJは、自身の誕生日を冠した新作『1123』を準備中とされていますが、まだリリース時期は不明。





・Queen Naija - "Away From You" (Capitol Records / 2019-05-31)



昨年、“Medicine”や“Karma”が人気となり、デビューEP『Queen Naija』を発表したCapitol Records所属の新進女性R&Bシンガー、クイーン・ナジャ。

彼女が、今年初のリリースとなる新曲“Away From You”を発表。手がけたのは信頼と実績のリル・ロニー(Lil Ronnie)。R.ケリー、J・ホリデイ、ラヒーム・デヴォーンからK・ミシェル、タミア、シャンテ・ムーアまで手がけてきたベテランですね。ソングライティングには、タミア『Passion Like Fire』のリル・ロニー制作曲で組んだことも記憶に新しいシックペン(Jeremiah "Sickpen" Renaldo)も関わっています。  Amazon  iTunes



2017年末に発表した“Medicine”が反響を呼び、Capitol Recordsとメジャー契約を結んだミシガン州出身のクイーン・ナジャ(※クイーン・ナジャは芸名ではなく本名。クイーンというファーストネームは祖母から、ナジャというミドルネームは、イエメン出身のアラブ系である父親の名前だそう)。
Capitol契約第一弾となった“Karma”は、ゴスペル界の大御所ジョン・P・キーの2012年ヒットで、2013年にはアダルトR&Bエアプレイ・チャートでもトップ30入りするなどクロスオーバー・ヒットとなった“Life & Favor (You Don’t Know My Story)”のメロディと“Karma”のサビが酷似しているとして盗作騒動が巻き起こったことも記憶に新しいところ。ナジャは盗作を否定しており、昨年末にはジョン・P・キー側から訴訟をちらつかされたとして彼を非難もしています。この騒動を意識してでしょうか、昨年末には「私の初のゴスペル曲」として“War Cry”をリリースしています。

なおナジャのデビュー曲“Medicine”は、(MV発表などの影響で)昨年4月に全米シングル総合チャート(4月14日付)で45位に初登場。一度は100位圏外までダウンしますが、昨夏に54位まで再浮上した際には、米R&B/ヒップホップ・ソング・チャート(8月11日付)で最高3位まで上昇。また昨年末にアダルトR&Bエアプレイ・チャート(12月8日付)で1位となって4週連続で首位をキープするなど、現時点で彼女最大のヒットとなっています。





・Olivia Nelson - "Cherry Chapstick" (Hear This Records / 2019-05/31)



ロンドンの新進女性R&Bシンガー、オリヴィア・ネルソンが、先月の“No Answer”(紹介済)に続く新曲“Cherry Chapstick”を発表。  Amazon  iTunes

今回は新人ジェイ・ジェイ・ミュージカ(Jay Jay Musika)がプロデュースしていますが、“No Answer”同様、ティンバランド以降のレイト90sのR&Bの雰囲気も漂うミニマムなトラック。待望のニューEP『Back To You』を8月30日にリリース予定とか。





・Ginette Claudette - "Fast" (Summerchild Records / 2019-05-31)



オーガスト・リコ(August Rico)がバックアップしている女性R&Bシンガーのジネット・クローデットが、4月に発表した“Let It Ride”に続く新曲“Fast”をリリース。彼女らしいミッド・スロウで、手がけたのはもちろんオーガスト・リゴ。  Amazon  iTunes





・Mike Blankenship feat. Sy Smith - "I Can't Help It" (JB Step Music / 2019-05-31)



マイケル・フランティ&スピアヘッドの一員としても知られる西海岸の鍵盤奏者/プロデューサー、マイク・ブランケンシップが、言わずと知れたマイケル・ジャクソン名曲をカバー。  Amazon  iTunes
ジャジーかつミニマムなプロダクションの中で美しいハーモニーを響かせているのはサイ・スミス嬢で、“I Can't Help It”に留まらず、終盤には“Shake Your Body (To The Ground)”、“Human Nature”、“Wanna Be Startin' Somethin'”(における“Soul Makossa”のパート)までメドレー形式で歌い継がれるMJトリビュートな仕上がり(少々蛇足感は否めませんが)。

マイク・ブランケンシップは2015年にソロ・アルバム『Living For The Future』を発表しており、サイ・スミスはこちらにも参加していました。同作には他にも、シーラ・E、ニア・アンドゥルース、ケヴ・チョイス、ロックスミスらが参加しています。





・John Legend - "We Need Love" (John Legend Music/Columbia Records / 2019-05-28)



ジョン・レジェンドが新曲“We Need Love”を発表。

ラファエル・サディーク(Raphael Saadiq)らがプロデュースしたこの曲は、米NBCで28日から放送が始まった、ソングライティングを競う番組『Songland』の挑戦者テビー・バーロウズ(Tebby Burrows)が元々書いた楽曲。『Songland』の第一回(5月28日)のゲスト審査員がジョン・レジェンドであり、彼女の“We Need Love”が第一回放送で1位となったことで、ジョン・レジェンドがリメイクして発表したというわけです。  Amazon  iTunes

なお昨年EGOTを達成したことも話題になったジョン・レジェンドは、『Songland』の1週間前、5月21日まで放送された米版『The Voice』第16シーズン(こちらもNBC放送)でコーチのひとりとしてレギュラー出演しており、ジョンのチームに入ったメイリン・ジャーモン(Maelyn Jarmon)が優勝。まだ今後の彼女の動きは明らかになっていませんが、こちらにもジョンは関わることになるでしょう。







・Mike Taylor - "Magic" (Mike Taylor Music / 2019-05-31)



アフロジャックの“SummerThings!”(2015年)を始め、ダンス系プロデューサーの客演でそのソウルフルな喉を聞かせてきたフィリーのシンガー、マイク・テイラー。
2016年にはデビューEP『Feel Good』をRostrum Recordsより発表し、タイトルどおりエレクトロ+チャーチな“Electric Church”やブギーな“Body High”といったグラディアス制作曲が話題を呼んだ彼が、新曲“Magic”を発表しました。  Amazon  iTunes

今年2月にはグラディアス制作でニュー・ジャック・スウィング調の“PDA”をリリースしていましたが、今回はT.I.などを手がけたマイク・デュプリー(Mike Dupree)のプロデュースで、彼の歌声が熱く迫る、60s調のファンク・ソウル。これまでダンス・ポップ的な印象が強かっただけに、意外な路線変更(?)です。



ちなみに、ジャスティン・ビーバー“Company”を手がけたニュージーランドの新進気鋭プロデューサーとしても知られるグラディアス(・ジェイムス)は、フィフス・ハーモニーやセージ・ザ・ジェミナイのプロデュースを経て、2017年に“Too Bad”で歌手デビュー。昨年、デビューEP『Revelation』をリリースし、ウィズ・カリファ参加の“Rich”が話題を呼びました。昨年はまた、プリティマッチの“Hello”、クロ―ミオの“Don't Sleep”なども手がけています。





・The Shindellas - "It Wasn't Really Love" (Weirdo Workshop / 2019-05-31)



ルイス・ヨーク(Louis York)こと、クロード・ケリー(Claude Kelly)とチャック・ハーモニー(Chuck Harmony)のタッグが送り出す、モータウン・ライクなガールズ・グループ=シンデラーズ。
昨年、“Reconsider”でデビューし、“Ain't That the Truth”、“Happy to See You”とリリースを重ねてきた彼女たちが、今年初のシングルを発表。もちろん手がけているのはルイス・ヨークです。  Amazon  iTunes





・Herve Pagez & Diplo feat. Charli XCX - "Spicy" (Mad Decent / 2019-05-30)



スパイス・ガールズ“Wannabe”ネタ……というよりリメイク?

フランスの若手プロデューサー、ハーヴ・ペイジズがディプロと手を組み、ディプロ率いるMad Decentより新曲“Spicy”を発表。スパイス・ガールズ“Wannabe”のヴァースを歌うのはチャーリー・XCXです。  Amazon  iTunes

2017年~2018年には、ジャ・ルール&アシャンティ“Always On Time”ネタなレイの“Decline”や、アディナ・ハワード“Freak Like Me”を借用したラク・スーの“I Want You to Freak”といった、アフロ・スウィング系のリメイクが英国で人気でしたが、その流れでしょうか。
また、スパイス・ガールズ“Wannabe”と言えば、アミーネも、スパイス・ガールズ・インスパイアな“Spice Girls”で歌詞を引用していましたね(MVにはメル・Bも登場)。





・Craig David - "When You Know What Love Is" (Insanity Records/Sony Music Entertainment UK / 2019-05-31)



昨年1月には『The Time Is Now』を発表し、今年2月に開催された久々の来日公演(単独公演としてはおよそ13年ぶり)も大盛況に終わったクレイグ・デイヴィッドが、早くも新曲をドロップ。
ハウシーなこの“When You Know What Live Is”は、『The Time Is Now』で久々にタッグを組んだフレイザー・T・スミス(Fraser T. Smith)がプロデュースしたもの。  Amazon  iTunes

今やアデルの大ヒット“Set Fire to the Rain”を手がけたことでも知られるグラミー受賞プロデューサーのフレイザー・T・スミスですが、元々はクレイグ・デイヴィッドのギタリスト。2ndアルバム『Slicker Than Your Average』収録の“World Filled with Love”でプロデューサーに抜擢されたのを経て、2007年作『Trust Me』では半数近くに起用されるまでに。特に、ボウイねたの“Hot Stuff (Let's Dance)”や、エイメリー“1 Thing”を意識したと見られる“6 of 1 Thing”を手がけたことで頭角を現した人物です。
2009年には全米&全英チャートを制したタイオ・クルーズ“Break Your Heart”を筆頭にヒットを連発、人気プロデューサーの仲間入りを果たした一方、クレイグとは、2008年のベスト盤『Greatest Hits』収録の、カラーズ“Hold On”ネタなベースライン・ハウス“Where's Your Love”(無名時代のリタ・オラもフィーチャー)を最後に仕事をしておらず、『The Time Is Now』でおよそ10年ぶりにタッグを組んだわけです。





・Gucci Mane feat. Justin Bieber - "Love Thru The Computer" (Guwop Enterprises/Atlantic Recordings / 2019-05-30)



グッチ・メインが新曲“Love Thru The Computer”を発表。  Amazon  iTunes

ジャスティン・ビーバーがゲスト参加というだけでなく、ザップ&ロジャーの不朽の名曲“Computer Love”ネタという強力な楽曲で、プロデュースを手がけたのは、カーディ・Bの“Bodak Yellow”や“I Like It”などで知られるJ・ホワイト(J White Did It)です。